近年では、治療方法として漢方の有効性が再認識されており、それとともに漢方専門外来も増えてきています。漢方専門外来で働く場合、従来の看護スキルはそれほど重視されません。診察も医師が1人で行う場合が多いため診察介助もあまりなく、1人で動くことが難しい患者が来院した際に補助をする程度です。それでは、漢方専門外来で看護師が行うべき業務とは、どのようなものなのでしょうか。
その業務内容は主に2つあり、1つは漢方の服用についてのアドバイスです。漢方は飲み方によって効果に影響が出てしまうため、間違った飲み方をしないように指導する必要があります。もう1つの業務は、東洋医学の見地から心身のケア方法を患者にアドバイスすることです。例えば、冷え性で悩む患者には、冷えに関する対策方法を、東洋医学的な見地から具体的にアドバイスします。このような業務をこなすために、漢方専門外来では次のようなスキルが必要です。
まず、西洋医学と東洋医学を問わない、幅広い医療知識が挙げられます。漢方専門外来には病気の治療を長期間受けている患者も多く、その病気の内容も多種多様です。病気の中には、検査や数値では推し量れない症状を引き起こしているものもあり、こうした病気を理解できるだけの知識が漢方専門外来の看護師に求められます。また、漢方専門外来に通う患者は、従来の医療では改善できなかった症状を抱えている人が少なくありません。そのような患者の心理的な問題に寄り添うスキルも、漢方専門外来で働く看護師には大切です。